今年の夏の甲子園大会で、史上初2度目の春夏連続制覇の偉業を達成した、大阪桐蔭高校のストイックすぎる野球生活が賛否を呼んでいるそうです。
大阪桐蔭野球部
— かなかな/高2/ISLAND(7/7大阪 8/11愛知)もう夏は終わった (@nm32973297) August 21, 2018
・平日は夜10時まで練習
・土日も練習
・携帯禁止(iPod.ポケットWi-Fi対策として寮長がWi-Fi探知機を購入)
・楽しみは月に1度のコンビニ(1年500円、2年1000円、3年2000円の範囲内、超えると5厘頭)
・食べ残しすると5厘頭
・寮は同学年の三人部屋
・親に会えるのは2月に1回#大阪桐蔭
大阪桐蔭の校則って、
— モロ/ミ/ダディ (@moromizatodady) August 21, 2018
・携帯電話禁止
・親との面会は2ヶ月に1回
・外出は月一回のコンビニのみ
なのか・・・。
正直にいう。
「気持ち悪い」
大阪桐蔭野球部員の非人間的な寮生活。外出禁止。親とも会えない。月一回のコンビニ旅行。練習は休みなし。これを礼賛するメディアに日大アメフト部とかボクシング協会を批判する資格もない。
— 二宮力 (@tutomu311) August 22, 2018
なるほど、確かにこれはすごい。
普通の人にこの生活を強いたのなら、確かに大問題だと小生も思います。
しかし、大阪桐蔭高校の野球部員たちは、日本屈指の高いレベルでの野球を求めて、自ら野球部の門を叩いたことを忘れてはいけません。
稀に例外はあるのかもしれませんが、野球が好きで、野球がやりたくて、しかも日本屈指の高いレベルでやりたくて、わざわざ大阪桐蔭高校を選んでいるのです。
それはもちろん甲子園大会に出場したい、優勝したいという希望を持ってのことでしょう。
部員の中には類稀なる才能に恵まれ、プロの選手を目指している選手も少なくないかもしれません。
いや、才能は日本最高レベルとは言えないまでも、プロの選手を目指し、努力によってそのギャップを埋めたいと頑張っている部員も少なくないでしょう。
2018年の夏の甲子園大会では、56の出場校がありました。
各校ベンチ入りが許されるのは18人までとなっておりますので、ざっと1,008人の選手が甲子園のグラウンドに立てたことになります。
2017年のプロ野球ドラフト会議で、指名された選手の人数は、育成枠を含めて74人でした。
74人の中には高校生だけではなく、大学生、社会人、独立リーグの選手達も含まれており、甲子園を経験していない選手ももちろん含まれています。
この条件にはなりますが、甲子園の出場を一つの基準とした時、日本のアマチュアでトップレベルの野球選手が1,008人ほどいて、そのうちプロになれる選手はわずか74人ということになります。
その確率わずか7.3%です。
ちなみに2018年の高校野球選手権大会の全参加校数は3,781校。
地方大会はおおよそ20人がベンチ入りできますので、参加者選手はざっと75,620人となります。
この数からみると、プロ野球選手になれる確率(ドラフト会議で指名される確率)はわずか0.098%になります。
1万人に1人ですね。
高校野球は第一義的には教育の一環として考えるべき、と小生は思います。
プロを目指すばかりが野球ではありません。
上手くなる、強くなるばかりが野球でもありません。
それでもこの数字を見ると、野球でプロを目指す、あるいはプロとは言わずともさらに上のレベルを目指すということが、いかに過酷な競争であるかということが分かります。
そりゃあ、普通の努力をしただけでは抜きん出ることなんてできないよ、という話なのです。
繰り返しますが、もし大阪桐蔭高校野球部の練習や生活を、誰かに強制したというのならば問題はアリアリでしょう。
しかし、彼らは望んで、より高いレベルを求めて、その過酷でストイックな環境に身を投じたわけです。
小生の人生観ですが、人生のうち一時期くらいは超ストイックになにかを頑張る時期があってもいいと思います。
よっぽどハマった条件(よっぽど好きなこととか)でなければ、そんな生き方はずっとは続かないのですが、人生のうち一度くらいは妥協なく努力をし、何かを勝ち得る、あるいは望んだものは得られなかったとしても成長と経験を得ること、は人生において大いに意味と価値があるだろうと思います。
そういった意味で、大阪桐蔭高校野球部の超ストイックな野球漬け生活は、小生には美談に思えるのです。
良いじゃないですが、野球に捧げた青春。
例えプロになれなくても、大学の有名チームに入れなくても、その経験は間違いなく人生に活かされるだろうと思うのです。
ちなみに大阪桐蔭高校野球部員のお小遣いですが、1年生が月500円、2年生が1,000円、3年生が1,500円なのだそうです。
かわいいですねw