ゆたにゃんぶろぐ

慶應義塾大学経済学部卒のメンヘラニート魔法少女

巨額投資に隠された“次のネット”への野望:Metaが仕掛ける10兆円超の未来図

FACEBOOKInstagramで有名なMetaですが、巨額の投資を続けています。

SNS事業にそんな巨額の投資が必要なのでしょうか?

このエントリーではMetaの投資について深堀りしてみます。

 

まず、Meta Platforms(以下「Meta」)は、2025年において 600億〜650億ドル(仮に1ドル=150円換算で約9兆~9.8兆円) の設備投資を計画しており、これは同社収益の数分の一を占める規模となっています。(Investopedia)

 

では、Metaは何にその巨額を投じているか。

主な3領域に整理できます。

 

一つ目は 人工知能(AI)インフラ です。

Metaは世界各地で大規模なデータセンターの建設を進めており、例えばルイジアナ州リッチランド郡の「Hyperion」計画では 270億ドル(約4兆円) を想定したジョイントベンチャーを発表しています。

(investor.atmeta.com) AI時代の演算需要を見据え、今のうちに演算基盤を整える姿勢が明確です。

 

二つ目は AR/VR(拡張現実/仮想現実)および関連デバイス です。

Metaは「Reality Labs」部門を通じて、VRヘッドセットやスマートグラスなど次世代端末の開発に投じています。累計では 1000億ドル(約15兆円)規模に達する可能性 が指摘されています。(ファイナンシャル・タイムズ)

なぜここまで投資するのかというと、次世代のインターフェース「スクリーンから空間へ」の転換を狙っているからです。

 

三つ目は ウェアラブル/次世代デバイス です。

スマートグラスや将来的な“身体装着型コンピューティング”機器を通じて、スマートフォンに代わるプラットフォームを構築しようとしています。

こうした試みにより、利用者がより深く、継続して接続する環境を整えることを目的としています。(XR Today)

 

 

 

 

このような投資構造を改めて眺めると、Metaが単なるSNS運営企業ではなく、「次世代コンピューティング・プラットフォーム企業」へと変貌を図っていることが見えてきます。

広告収益という既存モデルの成長だけでは将来を保証できないと判断し、AI・XR・空間体験の時代に向けて早期に布石を打っているわけです。(IT Pro)

 

もちろん、この戦略にはリスクも伴います。

例えば、Reality Labs部門では利益が出ておらず、四半期ごとに数十億ドルの赤字を計上しているという報告があります。(Statista)

しかし、Metaはあえて「先行投資」を選択し、覇権を握るための資源を今投入する姿勢をとっています。

 

結びとして、Metaの巨額投資は「今後のインターネット体験」そのものを再定義しようとする動きの一端です。

AIが裏で動き、AR/VRといった体験が主体となる世界へ。

Metaがどのようなプラットフォームを築くかは、私たちの日常の接点を大きく変える可能性を孕んでいます。

本エントリーがMetaの「何に」「なぜ」投資しているのかを整理する一助となれば幸いです。