本件については本人とチーム、指導者の不手際と考えています。
仮に宮田選手が代表を続けていたとしても、競技当日までマスコミに追われ、世間が騒ぐことは確実です。
そのような状態で、ポジティブで落ち着いたメンタルを維持することは不可能です。
体操のように全身体的、全精神的集中と、極限の緻密さを要求される競技で、このようなメンタルの状態で結果を残すことはほぼ不可能でしょう。
つまり、今回の件によって、試合前から負けが確定してしまったわけです。
これはトップアスリートとして、またナショナルチームとして、脇が甘すぎたと考えます。
本人の不心得はもちろんのこと、若い選手を指導するにあたっては、技術だけでなくメンタル、生活、人間関係、社会規範など、広範囲にわたって綿密に指導するべきでした。
特に社会規範を犯した時のペナルティーの重さは重々指導しておくべきでした。
宮田選手がオリンピックに出場し、結果を残せなかった場合、マスコミや世間がまたあれこれと言ってくるでしょう。
後々の人生までずっと後ろ指をさされる可能性が高いと思います。
よって、本件においては宮田選手の辞退が妥当であり、これ以外の選択肢はないと考えます。
もし今回の喫煙を不問とするならば、これは悪しき前例となります。
後に他の未成年の選手が喫煙をしたとき、それも不問としなければなりません。
宮田選手だけ例外で他の未成年の選手はダメというのは公平でも合理的でもありません。
突き詰めていくと、未成年のオリンピック代表候補は喫煙しても不問とするということになります。
未成年の喫煙ぐらい目をつぶれという方々は、このあたりの理屈がよく分かっていないように感じます。
最後になりますが、当然に、宮田笙子選手が反省し、社会的に再起することを期待します。
事件に比して、現在彼女が受けている社会的制裁が重すぎることについては余も同意します。
マスコミも世間もこれ以上彼女を責めず、あたたかく見守るべきでしょう。
240720追記
宮田笙子選手の出場辞退について、自分が若い頃に似たような過ちを犯したけれど、罰せられなかったから宮田選手も不問にすべきだ、という意見を見かけます。
しかし、宮田選手が代表を辞退したとしても、別に死刑になるわけではありません。
日本代表という立場から考えて、これは妥当なペナルティーであり、刑務所で実刑を受けるとかではないのです。