【アルバム評】 Progress kokua (スガシカオ) 【感想】

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」のテーマソングとして、日本人なら大体知ってると思われる名曲、「Progress」から10年の月日を経て、kokuaが待望のアルバムをリリースしました。

 

小生もうスガシカオさんを追いかけて、はや18年ぐらいになるのですが、25歳の頃(2nd Familyの頃)からもうずっと一番好きな方ですね。年季の入った生粋のスガマニアですw

音楽性が大好きなのはもとより、J-WAVEの番組も毎週楽しみにしていて、いろいろ影響を受けたし、学びたかったし、人生の兄貴的な存在でした(です)。

当時は、はっしーって名乗ってましてw ラジオでハガキ2回読まれたのが自慢ですw(掲示板などで、当時の小生をご存知の方、もしいらしたらTwitter経由などでご連絡いただけるとうれしいです<(_ _)>)

 

#1 夢のゴール

ジャガジャーンで始まりましたかw あー、このアルバムはロックなんだ、ってこの一発で分かりますね。スガさんのソロのアルバムでは絶対にありえないイントロです。さすがkokua。このアルバムはバンドサウンドなんだぜ?って挨拶代わりのなにかを感じます。

まぁ、プロフェッショナルのお題ありきの曲だと思うのですが、どちらかというと、若い人に向けてエールを送っている曲です。

コノユビトマレあたりから、スガさんのひとつのカラー(芸風のひとつ)としてしっかり確立していると思うのですが、若い人(後人)に向かってまっすぐと励ましを与える、(おそらくメンバーの自信に裏打ちされた)真っ直ぐな曲になっています。

 

#2 幼虫と抜け殻

またべた~なロックなイントロから始まります。

イントロはそのままリフになって、曲全体を包み込む。AC/DCみたいな感じというか、80年代ロックな感じがしますね。

昨今続く、芸能界でのスキャンダルにアテられた感じの仕上がりになっています。

そりゃあ皆さん、プロのミュージシャンとして20年以上のキャリアをお持ちの方々なので、身につまされることもふたつやみっつぐらいではないでしょうw

過去に見ていた蜃気楼みたいな未来が今で、過去はすでに今日で終わり、多分そういう毎日はずっと続いて、過去が輝いて見えるぐらいの、未来を手にしたい。

これからも(捕まるようなことはしないけどw)はじけて行くぜ!って決意表明みたいな感じですね。

 

#3 砂時計

ここにきてようやくというか、武部さんのピアノが前に出てきました。

ギターが入ってるバンドなので、どうしても(ベン・フォールズ・ファイブみたいな)もろピアノロックにはならないのですが、ピアノとギターのアルペジオが絡みながら、曲の骨格を仕上げています。

曲調がスローなので、小生の主観で言わせていただければ、ピアノロックと言ってしまいたい感じですなぁ。

歌詞は恋人に向けたようにも感じ、子供に向けたようにも感じます。

危うい人生の中で、見守り、寄り添い、生きていこうという語りかけが、清々しくて良いです。

 

#4 1995

スローなピアノバラードです。

3連符で刻むハットが上品ですね。

夏の日のメランコリーの話で、なんですかねぇ、サザンオールスターズをちょっと思い出す感じなんですけど、歌詞が紡ぎだす世界観は明らかにスガさんの独自のものです。

1995かー。小生大学3年生かな。人生の一番良い時期だったなぁ(´Д`)

 

#5 BEATOPIA

インストナンバーです。

あーぅあーぅあぅあーあーあーってギターのリフ一発で押し切っています。

ワーロックっぽいのですが、裏でうねってるベースと、スペースに挟んでくる武部さんのピアノも小洒落てて良いです。

 

#6 Blue

 わりとスガさんのカラーが前に出てるかな?って感じの曲です。

PARADE以降のスガさんの芸風らしさを感じました。(THE LASTで(多分小林武史さんの判断だと思うのですが)また芸風がガラリと変わりましたが)

ただ、シンプルで人間味のあるロックドラムが、スガさんの絡んだ楽曲では珍しく、そのあたり新鮮だと思います。

99%の暗闇と1%の前向きとって、初期のスガさんに評された言葉ですけど、そういう世界観で作り上げられています。

 

#7 Stars

Starsって歌いあげる時に、スガさんの声がファルセットになるんですけど、そのファルセットが今までのスガさんにはない歌い上げ方で、え?何事?って思いましたw

武部さんの指示なのかなぁ?、さすがkokua、スガさんのソロ名義では聴けないあたらしい魅力です。

only youとかSTARTING OVERとか、今まで英詞のカバー曲はありましたけど、英詞を日本語訳して歌うのって、スガさん初めてですね。

 

星と星の間は近くに見えるけど、本当はすごく離れている。

それを人と人とのコミュニケーションのメタにしています。

近くて遠くて、遠いようで実は近くて。

ロマンチックですね。

とても美しい詩を読んでいるようで、心洗われます。

 

#8 道程

声は楽器だなぁ、とつくづく思いました。

小倉博和さんがボーカルを取っているみたいです。

アルバムが届いて(もうamazonさん経由でしかCDって買いませんね。だからアルバムを買って、じゃなくてアルバムが届いて、という表現になります)、ブックレットをまず確認したんですけど、歌詞:小倉博和を見つけて、お、オリジナルトラックでスガさん以外の歌詞で、スガさんが歌うのって初めてじゃないのか?と色めきだったのですが・・・

kokuaというバンドなので、こういうのももちろんアリなんでしょうけど・・・

うーん、やっぱりスガシカオの声は魔性だなぁ、と再確認いたしました。

あえて言ってしまいますけど、スガさん以外のボーカルにしたのは判断ミスだったのじゃないのかなぁ、という思いがどうしてもあるのが本音です。

 

#9 kokua's talk 2

シングル、progressのカップリングのkokua's talkの続編かな。

曲というよりも、フリーのセッションみたいな感じがします。

ヒップホップ調のスガさんの歌が聞きどころです。

なんか渋谷系な感じがしましたね。

 

#10 黒い靴

Aメロ~Bメロのスガさんがずいぶん荒々しく歌っています。

武部さんのディレクトだと思うのですけど、こういうスガさんも初めてです。

でもサビに入るとさすがに美しく歌いあげていて、アガっていきます。

THE LASTのスガさんに近くて、あ、今のスガシカオだな、って感じがしました。

曲はガレージっぽい感じで、一流のミュージシャンを集めて、あえてこれやりますか?っていい意味で言いたくなりますね。

失恋の歌だと思うのですが、脱ぎ捨てられた片方の靴と、「僕と君の思い出」が半々であって欲しいというメタが、悲しくも美しい世界です。

 

# 11 私たちの望むものは

kokuaの宣誓ですね。

私たちの望むものは、あなたを殺すことなのだ、とドキリとさせて、今ある不幸にとどまってはならない、と続き、とても深い愛を表現します。

そうですね、とてもとても深い愛に満ちあふれています。

超一流の表現で、レトリックで、それを表現しています。

前述少しありましたけど、やっとスガさんがご自身以外の歌詞をオリジナルトラックで、初めて歌いました。

kokuaという素晴らしいバンドに出会えて、スガさん、良かったですね、ってなんか言いたくなりましたw(ちょっと恥ずかしい)

 

#12 Progress

今さらなにを語りましょうかw

だってみんな知ってる曲だもんw

諸氏が感じたそのままが、この曲の評価ですよねぇ、としか言えませんよw

ガマニアとしては、いっぽんどっこでずっとやってきたスガシカオさんが、バンドになるとこうなるんだぁ、って感慨はありました。

つまづいているあいつのことを見て、本当はシメシメと思っていた、あたりはスガさんでないと書けない歌詞かな?って思います。

な~んか小生も今いろいろしんどいんですけどねw、また一歩、ゆるりと前に進むタイミングを静かにはかろうかな。

 

その他

デビュー以来デジタルを積極的に取り入れてきたスガシカオさんですが、このアルバムは完全ノー・エレクトロのバンドサウンドで作り上げられています。

あえて、の武部さんの判断だと思うのですけど。

上質な大人のロックアルバムに仕上がっています。

これからの季節、ドライブしながら聴きたい感じはしますね。(小生車持ってませんけどw)

 

Progress

Progress