矢作直樹先生の「悩まない」を読了しました。
矢作先生は東大で救急医療分野教授と、東大病院の集中治療部部長をされている方です。
公的にとても信頼の高い職務に就かれていると共に、死後の世界、輪廻転生などに肯定的な意見を発表していて、関心のある人達から高い共感を得ています。
小生もスピリチュアル系にはそこそこ関心があるのですが、何冊か読んでみて、本によって書いてあることがまちまちなのであまり腑に落ちる事ってありませんでした。
ですが、矢作先生のような立場のある方の言説なので、おおよそ矢作先生のスピリチュアル感をまぁ、だいたいそのようなものなのだろうぐらいに理解するようにしています。書籍も大体読みました。
本書で先生が説かれることを一言でいうと、執着しない生き方のすすめと言えると思います。
元々先生は地位やお金やモノに執着しない性格だったようで、人生で最も大事なことはそのエピソードであって、地位やお金やものではないと説かれます。
人生での紆余曲折、出会いや別れや、その時その時を楽しむように生きるのが良いということですね。
元々人間はすべて大きな一つの魂から別れてこの世に生を授かった。
その魂の分離感が寂しさを生み、人と比較し、羨んだり妬んだりする。
分け御霊の考えを腑に落ちるまで理解すれば、人と比べることが減り、自分の人生をその時その時楽しめるようになる、あるいはその境地に近づくことができる。
多くのスピリチュアル系の本で、言ってることはマチマチなんですけど、元々はひとつの大いなる存在(いわゆる神様)から別れてこの世に生を受けているというのは、おおよそどの本でも共通して言っていることのようです。
聖書の中で以下のような話があります。
ある葡萄農園の地主が、収穫のために人を雇います。
ある者は朝早くから働き、ある者は夕方遅くから働きました。
一日の労働が終わり、賃金の支払いになりました。
遅くから働き始めた者から賃金をもらい、朝から働いていた者は、当然自分はより多くの賃金をもらえるものと考えていました。
ところがもらえた賃金は、遅くから働いていたものと同じものでした。
これに対して不平を言うと、地主は、「私の考えに不平を言うのか」と一喝します。
結局蟻に人間の考えが分からないように、天の意志は人智を超えたところにあるという例えですね。
天からしてみると、労働時間の多寡には人間が考えるような意味合いはないのだ、ということかもしれません。
スピリチュアル系の本を読んでいて思うのは、結局現代のパラダイムによって解釈された話で、例えば科学の定理のように納得しやすく腑に落ちるものはなかなかないのだなぁ、ということです。
世界には様々な宗教がありますが、結局その時その時のパラダイムによって理解されるので、宗派による考えからの違いが生まれ、争いの原因になっています。小生はそのように理解しています。
元々は同じ事を人間に説こうとしているのですが、人間が理解しやすいようにその時その時のパラダイムを使うのですね。
矢作先生は、21世紀は宗教を通じなくても、皆が大いなる存在を感じられるようになる時代となるだろう、とおっしゃっています。
小生としても、そのような進展を見せるのが自然なような気がします。
信じるか信じないかはアナタ次第です、な話ではあるのですが、いずれ誰もが死を迎えるわけですから、少しぐらい魂の話に興味を持つのも良いかもしれません。
矢作先生の著作は、医師という立場から科学的、社会的前提を含めて、非常にバランスが良いと思います。
ちょっと興味を持たれた方ならおすすめです。
あとこの映画、小生も立川の上映会に参加してみたのですが、輪廻転生を考える上でとても良いと思います。
前世、中間生(前世と今世の間、いわゆるあの世での記憶)、胎内記憶を持つ子供たちのドキュメンタリーインタビュー映画です。
池川明先生という産婦人科医の方が中心になって進められているプロジェクトです。
どうもお産婆さん達の間では、前世記憶がある子供たちが一定の割合で生まれてくるのは、昔からの常識だったらしくて、とても興味深い話が聞けます。
映画「かみさまとのやくそく」(神との約束)【予告编】 - YouTube
この映画、残念ながら今のところDVD化とかの予定はないらしいのですが、興味があれば是非。
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