AI日本株式オープン(絶対収益追求型)の評価と評判:2018年2月:AI投資信託

AI投資信託と謳った(うたった)投資信託は大きく2種類に別れます。

  • AIやロボティクスを事業としている企業に投資をする商品(大体95%ぐらいがこのタイプの投資信託です)
  • AIが投資する銘柄や投資のタイミングを決定する商品

ゆたにゃんぶろぐでは、おもに後者(AIが投資する銘柄や投資のタイミングを決定する商品)のエントリーをご紹介しております。

 

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)はAI(人工知能)によって投資する銘柄や投資のタイミングを決定する投資信託です。

リンク:AI日本株式オープン(絶対収益追求型)交付目論見書

 

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)は、AIの中でも、deep learningディープラーニング)の技術を活用しています。

deep learningといえば、将棋ソフトで有名なponanza囲碁ソフトで有名なAlphaGOもこの技術を活用しています。

昨今人工知能が一躍脚光を浴びるきっかけとなったのが、このdeep learningが目をみはるような成果を上げているからですね。

 

 AI日本株式オープン(絶対収益追求型)は、AIによる日本株式のロング(買い)と株価指数先物のショート(空売り)を運用手法としております。

AIが投資する銘柄や投資のタイミングを判断するのですが、AI自身が自動的に売買を行っているわけではありません。

 

まず、AIの開発、運用、改善は、三菱UFJ信託銀行と三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)が行います。

このAIの判断のもとに、三菱UFJ信託銀行が、投資信託の運用元である三菱UFJ国際投信にアドバイスを行い、三菱UFJ国際投信が実際のポートフォリオ(運用先)を決定しています。

 

いわゆるHFT(高頻度取引、AIが例えば5分後の株式などの市場の動きを予測し、1秒間に1,000回以上(ともいわれている)売買をし、さや抜きで利益を得る手法)は行っていないようです。

 

AIの活用により、株式相場が上昇局面にあると判断した場合、株式指数先物のショート(空売り)の量を減らして、日本株式のロング(買い)の割合を増やし、相場の動向に左右されずに収益を上げていくことを目指しています。

まぁ、平たく言うと、日経平均が上がっても下がっても利益が出るようにしますよ(あるいは利益が出ることを目指してますよ)、ということですね。

 

なお、投資環境の変化や技術の進歩等があった場合は、新たなモデルの採用を行うこともあるそうです。

AIの変更や、投資先やらポートフォリオ(投資先の割合)の変更とかですね。

 

 どんなデータを使っているの?

◎株式個別銘柄戦略

○安定好配当モデル(中長期投資)

決算短信有価証券報告書等の企業の業績にかかる 文字情報と配当利回りを組み合わせて、株式相場の 下落局面でも強みを持ち安定的な収益獲得が期待 できる安定高配当銘柄を選定しています。

○ニュースピックモデル(短期投資)

経済ニュース、市場参加者(アナリスト等)の利益予想 等を用いて複合的に評価し銘柄を選定しています。

 

先物アロケーション

○AIによる日時予測モデル

ディープ・ラーニング*を行うことによって、データの特徴から、因果関係を見出し、翌日の株式市場の 値動きを日々予測しています。

○AIによる月次予測モデル

過去の投資環境から類似性を見出して1ヵ月先の株式市場の値動きを日々予測します。

○転換点予測モデル

 株価や指数値等の推移から株式市場の転換点を日々予測しています。

 

などのデータをAIに読み込ませて、運用方針を決定しているようです。

出典:MORNINGSTAR

 

手数料

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)は、各証券会社、ネット証券会社、銀行などで販売されています。

各販売窓口(一部抜粋)での手数料と、一般的な日経平均のインデックスファンドである、日経225ノーロードオープンの手数料とを比較してみます。

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 上記の販売窓口では、すべて購入手数料2.16%、信託報酬1.296%でした。

その他販売窓口は交付目論見書で確認できます。

リンク:AI日本株式オープン(絶対収益追求型)交付目論見書

 

やはりアクティブファンドなので、購入手数料がずいぶんお高い印象があります。

日経225ノーロードオープンと比べると、購入手数料と信託報酬の差で、1年で考えると、日経平均を3%ほど上回る運用実績をげる必要があります。(もちろん長期で保有した場合、購入手数料のコストは保有期間により分散されます)

購入に際しては、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)が日経平均の運用実績を長期に渡り上回るのか、じっくり検討する必要があると思われます。

 

ちなみに、同じAI投資信託である(使っているAIと運用方針は異なりますが)、Yjamプラス!をYJFX!で購入した場合、購入手数料0円、信託報酬0.9936%となっております。

リンク:Yjamプラスの評価と評判

 

実際の運用実績はどうなの?

それでは実際の運用実績を見てみましょう。

まずは直近一年の実績を、日経平均と比べてみましょう。

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出典:yahooファイナンス

日経平均

  伸長率約10%

:AI日本株式オープン(絶対収益追求型)

  伸長率約0%

う~ん、イケてませんねぇ(´Д`)めう

直近1年を見る限り、高い手数料を払って、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)を買うのはちょっと厳しいかな、という感じです。(*個人の感想です)

 

それでもあえて注目するならこちらで。

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同じく日経平均:AI日本株式オープン(絶対収益追求型)で、日経平均の下落局面でも、基準価格を大きく減らしていないところですね。

ただし、絶対収益追求型と謳っている(うたっている)割には、相場の上昇局面でも下降局面でも、全然運用利益を出せてないなぁ、という印象は拭えません。

手数料を取られない分、タンスにお金をしまっておいた方がまだマシと言いますか。。。

 

では、他の比較可能なAI投資信託との比較はどうでしょうか?

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:Yjamプラス!

  伸長率約10%(直近1年)

:AI(人工知能)活用型世界株ファンド

  伸長率約0%(設定来)

:Yjamライト!

  伸長率約0%(設定来)

:AI日本株式オープン(絶対収益追求型)

  伸長率約10%(直近1年)

:AI(人工知能)活用型世界株ファンド

  伸長率約-5%(設定来)

と、なっております。

 

まだ発売されて1年以内のAI投資信託もあるため、比較期間がりんご・りんごにならないのが申し訳ありません。

ポイントはおそらく、先日の米国の長期金利引き上げ予測から、世界中に広まった株価の暴落で、日経平均が約10%下落したのですが、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)以外のAI投資信託が、相似するように約10%基準価格を下げているところですね。

幸いと申しますか、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)はこの下落の影響をほとんど受けておりません。

一方で、昨年の日経平均の上昇相場で、Yjamプラス!が基準価格を大きく上げたのに対して、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)はほとんど運用利益を出していない、というのは前述のとおりです。

 

ただし、上記評価は直近一年の結果に対する評価であって、過去の運用実績は、将来のパフォーマンスを保証するものではないことをあらかじめご理解いただきたく思います。

 

が、しかし、なかなか厳しい評価になってしまうなぁ、というのが小生の偽らざる気持ちでもあります(´Д`)めう

 

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)の評判

では、最後にAI日本株式オープン(絶対収益追求型)の巷間の評判を見てみましょう。

 

 

 

 

 

などなど。。。

やはり厳し目になってしまうようです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

皆さんの資産運用の一助となれれば幸甚です。

また、AI投資信託のエントリーを増やせていけるように、がんまります! 

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他のAI投資信託の評価と評判はこちらから(適宜更新中です)。

リンク:Yjamプラス!の評価と評判

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付録

ちなみに、ゴールドマン・サックスでは、今こんな感じになっているそうです。

2000年のゴールドマン・サックスのニューヨーク本社では600人ものトレーダーが大口顧客の注文に応じて株式を売買していたそうですが、ゴールドマン・サックスCFO(最高財務責任者)に就任予定のマーティ・チャベス氏は、「2017年現在で本社に残っているトレーダーはわずか2人です。空いた席を埋めているのは、200人のコンピューターエンジニアによって運用されている『自動株取引プログラム』です」と、ハーバード大学の応用計算科学研究所で開催された2017 CSE Symposiumで説明しました。

出典:Gigazine

なわりには、一般に販売されているAI投資信託って少ないですね。

HFT、小生もぜひ試してみたいのですが、いつかは一般市民にも開放されるのでしょうか?

www.yutanyan.com